あいそ笑い うそ泣き 本当の涙        ! もくじ へ
 
   あいそ笑いの定義は難しいです
   本心では笑いたくないのに 不本意に作り笑いをする事 とさせてください
  慈愛による頬笑みに 似ている場合もあると思いますが まったく別のものだ
  と解釈させてください
  さてこの あいそ笑いも そして うそ泣きも したくないと言う人たちがいます
  おもに職人気質な人たちです
  芸術家や 研究者にも多いです もちろん一般のかた達にもたくさん居ます
  周りが笑っているのに 無愛想にして居たり にが笑い程度で顔をこわばらせて居たり
  周りが泣いていても 真剣な目で すました顔をして居たり する事があるので
  普通の人から見ると 気むずかしい とか 優しくないとか 思われる事があります
  しかし 全員が泣く 全員が笑う という状態は自然な事なのでしょうか
   全体主義の国では権力に媚びるのも うそ泣きも 命がけの演技です
   自分のためにも 家族のためにも 捕まって 獄死する訳にはいきません
   だから全員が・・という状態が出現します
  しかし 自由が認められている多くの国々では 十人十色 百人百様です
  確かに 社会通念や一般常識として 普通はこうする という 固定観念もありますけども
  人間の心は 複雑なものです 決めつけるなんて出来ません
  性格や思想が違う さらに その場に至る過程や情況の変化 その他いっぱいあって
  心がどう動く かを 決めつけるなんて出来ません
 
  そして なぜか
  心の力を十全に発揮しようとする人は
  自分の心に正直であろうとします
  孤立しても正直であろうとします
  それゆえに
  あいそ笑いも うそ泣きも したくない という人たちがいるのです
   かく言うわたしも そうです だけど
   心が弱いから 時々 してしまいます
   しまったっ あいそ笑いしちゃった と気づいた時は 自己嫌悪で愕然とします
   わたしの感触としては 心の中に 毒が入った感じがあります
   あいそ笑いをしてしまうと 毒が どばどば っと音を立てて入る感じがあります
   そしてその後 ひび割れて弱まった心を 強く豊かに復活させるまでには
   かなり 苦労することになります
   この感触 解る人が居るはずです 居る とわたしは信じています
 
  心の力を最大限に発揮するためには
  周囲から孤立しても かたくなに 自分の心に対して正直でいる事が重要です
  でも この気むずかしい偏屈な人たちは いっぱい笑い いっぱい泣くはずです
  ただ 心からほがらかに笑いたい 真に泣きたい だけ
  気むずかしく偏屈に見えても 決めつけないで欲しいです
 
   人の優しさ冷たさを 浅はかに決めつける事は出来ません
   正義感や涙を見せつけていた人が 実は悪人という例が現実には あります
   無愛想でも偏屈でも 優しい人が現実には 居ます
 
  試練を乗り越えて来たからなのか 自分の事では泣けない どんなに辛くても涙が出ない
  それなのに なぜか 他人の苦労話しや 絵空事のドラマで 泣いてしまう
  自分の身に関係ないと すなおになれる・・ そんな人も居るはずです
  もちろん 自分の事なら泣ける けど他人なんか知った事じゃない・・ という人も居ます
 
  わたしは大切な恩人が亡くなった時に ただ運命を 受け入れるだけでした
  お礼を言わねばならないのに こんなに早く行くなんて・・ ただ現実を受け入れるだけ
  でした しかし一年以上たったある日に ぼろぼろ涙がこぼれた事があります
  人間て不思議ですね
  その時は 声をかけたいくらい 近くにその人が 来ている様でした
  人間て不思議ですね
  いつ泣こうと 人それぞれ 自由ですね
  ただ 心からほがらかに笑いたい そしてただ ひたすらに泣きたい ただそれだけ
  ただそれだけ なのです
  で
  そうなのです
  あいそ笑いも うそ泣きも したくない という人たちがいるのです
  いや 人間は 誰しもが 本来そうなのだ と わたしは思います
 
  さて
 
  うそ泣き と言うと演技 特に俳優の演技を 思い浮かべると思います
  俳優の中には 喜怒哀楽を 十秒ごとに次々と表現できる人もいると思います
  その技術はすごいものです
  しかし わたしには 胸に きざまれた言葉があります
  雑誌の対談で 大竹しのぶさん が話した言葉です
 
    「 本当のセリフには 本当の涙が出る 」
 
  この本当の涙には 大きな力があると思います 人を感動させる真の力があると思います
  そして この 本当の涙に行き着くためには
   ああなって こうなって こうなって という話しの すじ道があって
   それで出現した その場面で その人に なりきって 自然に
   こぼれ出る 本当のセリフ
  という 幾つもの段階を踏まえて 心底から 本当のセリフ が出た時に
  否応なしに 涙も 自然に こぼれ出るのだ と思います
 
  そうです大竹しのぶさんも おそらく
  あいそ笑いも うそ泣きもしたくない 人なのだ と思います
  自分の心に正直でいたい 本当でいたい と思う人だからこそ
  その演技が 人を感動させるのだ
  と わたしは思うのです
 
  ちゃんとした すじ道から 心を動かす本当のセリフ それは歌も似ています
  AメロBメロから 良いサビへ 本当のセリフ へ行く歌を作りたいものです
  もしも作れたら
 
 
           「 本当のセリフには 本当の涙が出る 」by大竹しのぶ
 
 
                                 ! もくじ へ