6分              ! もくじ へ
  「あたしの歌は長い歌が多いのよね 6分を超える歌もあって・・・」
 
   と 中島みゆきさんが 話し始めたことがありました
   昔のことで70年代でした ラジオの深夜放送でオールナイトニッポンでした
   当時はアナログレコードの時代でした
   アルバムも大切ですけど 良い歌はシングルでも発売してほしいと望む声があります
   決まりでは無くても ヒット曲はシングルで発売されている必要があるようです
  みゆきさんもファンから「あの歌をシングルで・・」とお願いされることが度々あったそうです
  でもシングルレコードは時間に 「制限があるのよ!」
  言われてみれば当然でした
  アナログのシングルレコードの片面には 無制限に溝を刻めないことは当然です 
  そして 6分ぐらいが限度らしいのです
  6分を超えると 針が隣の溝へ 溝から溝へ飛び易くなるためです
  メーカーによって判断基準とか解釈が違うので 秒単位で確定は出来ないみたいです
  限度より1秒長い曲を強引に出版する場合も たまにはある様な話しぶりでした
  そして みゆきさんの場合 他のアーチストに比べて 長い曲の数が多いそうです
  6分30秒とか それ以上とか
  そのままではシングルに出来ない曲が多いそうです
  シングルバージョンと アルバムバージョンを別アレンジにする方法もあるけれど
  アルバムのアレンジを大切にしたい口ぶりでした
  つまり 一曲ならば何でもシングルにできる訳ではないのでした
   CDならば カラオケのおまけを付けたりして 3、4曲入りのシングル も多いです
   十数分の曲でも大丈夫でしょう だから今は昔のことです
  そしてさらに!
  みゆきさんは 言及しました
 
   「実は6分を超えると二曲分になるのよ・・」
   著作料においては
   6分より短い曲は どんなに短くても一曲として
   6分より長い曲は 二曲として扱われる との事です
 
  一般の人には影響の無い話しだけども とことわりながら 余談として話しました
  レコードの価格によって そのレコード全体に対する著作料が決まり
  それを曲数で割ると 一曲分の著作料が決まります
  曲数の多少にかかわらず そのレコード全体に対する著作料は同じです
  全曲の作詞作曲が同一人物の場合は アルバムの曲数が10曲でも12曲でも
  10で割って10倍も 12で割って12倍も同じです
  だから 中島みゆきさんは「アタシには・・」ほとんど影響は無いと言っていました
 
  問題になるのは 別の作家が混ざった場合です 例えば
  十曲のアルバムに7分の曲が二曲含まれていて 一曲だけが別の作詞作曲家の場合に
  一曲の著作料が 10分の1なのか 12分の1なのか 12分の2なのか
  が問題になって来ます
  当然 複数の作詞家 複数の作曲家が参加していれば 避けて通れない問題になります
  著作権法はインターネットの影響もあって 少しずつ改正されているので
  今も この『6分・・』が変わっていないのか そして分秒とか 以上以下超過未満について
  の正確な実情を わたしは存じません
  それと 以上の説明は わたしの意訳です
  彼女の説明を 意味で覚えていたので再現出来ません
  わたしは当時 参考程度に興味本位で聴いていたのですが
  だんだん身近で関心のある問題になって来た気がします
 
 
 
 
  『6分・・』                           ! もくじ へ
  いわさききょうこさんが作詞作曲した #いつもと同じ# は
  四谷天窓レーベルで 05年秋に発売されたCDに入っています
  このCDでは 5分51秒で収録されています
  このCDには10組が参加しています
  そのため 『6分・・』の問題が浮上したかも知れません
 
  #いつもと同じ# が歌われたそれまでのライブでは 8小節ほどの後奏がありました
  その後奏を無くしたバージョンが この 5分51秒でした
  この歌の場合 4小節が14秒くらいの様ですから
  その後奏を入れると 6分を超えます
  心を込めて歌えば 6分で歌いきることは出来ないと思います
 
  しかし このCD『 Piano & Woman Episode 04 』 KJCS-4009
  には副題があって 『生命』というテーマで各々が作品を寄せていました
  いわさきさんは この『生命』というテーマに対して
  どうしてもこの曲を入れたい という熱意で アレンジを練り直したのかも知れません
 
  この #いつもと同じ#は 苦悩苦闘混乱をくぐって 傷を心に受けとめながら
   すべてを やすらかに鎮める 良い歌だと思います
  いわさきさんは 自作の他の歌と #いつもと同じ#を組み合わせる様にして歌うことが
  ライブでは多いので この歌を かなり大切にしている に違い有りません
  いずれは オリジナルのアルバムにも 入るに違い有りません
  たぶん その折りには 他の楽器も入ってアレンジを再構築するのだろうなと推察します
 
 
 
 
   『6分・・』                           ! もくじ へ
  30分以上の交響曲は 著作料においては二曲分なのかも知れません・・
  そして 短い曲の場合・・どんなに短くても一曲
 
 
  emikoさんが作詞作曲した #どんなにつらい事があったとしても# は
  emikoさんのデビュー曲です 最初は
  『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』 VICL-60372 に収録されました
  このCDは 23曲入りで 短い曲が20曲くらい入っています
  アニメ映画のサウンドトラックなので当然かも知れません
  そして #どんなにつらい事があったとしても# は 4分48秒です
 
  この歌は わたしが初めてemikoさんに注目することになった歌でした
  最初に聴いた時 この歌には 励まそうという思いが詰まっていると感じました
  この作家は この作品に 持てる力を 惜しげもなく込めていると感じました
   手慣れた作家ならば この歌に込めた 発想とかエピソードを分散させて
   別個の歌を 3曲作るはずです
   中味が薄くて 同じ様な言葉を繰り返す作り方が多い現状にあって
   言葉を捨てたアレンジや 移調や ひねった歌い方や ねじったエフックトで誤魔化す
   ことが目立つ昨今にあって
  ひたすら誠心誠意 一つの歌に全てを集中させて 作られた歌だ と思いました
  この歌を聴いたから わたしは再び この人のライブを聴きたいと思ったのです
 
  前記のCDでは この3曲分が濃縮された歌と 数十秒の曲とが
  くしくも混在していて 皮肉な事だなぁと思いました
 
  その後 この#どんなにつらい事があったとしても# は
  emikoさんのミニアルバムに収録されました
  『鎌倉天気雨』 VICL-61524
  5曲入りでカラオケも4曲入りで 2004年11月に発売されました
 
 
 
 
   『6分・・』                           ! もくじ へ
  そう言えば!
  成田有里恵さんに遭遇した日  ・・2003.9.21日 江古田マーキー
  #愛ある場所# を聴いて感服しました
  彼女のCD-Rには 6分30秒と 6分12秒の 二つバージョンが収録されています
 
  しらいしりょうこさんに遭遇した日  ・・2004.4.24土 横浜マリンタワー前
  #ハムレット〜つよくなりたい〜# を聴いて あっあっあ゛ぁっ となりました
  彼女のCD-Rでは 6分58秒です
  リクエストがあっても 持ち時間の関係で 「歌えないことが多い」とのちに言っていました
 
  入日茜さんに遭遇した日  ・・2004.8.22日 江古田マーキー
  #リリィ# を聴いて うわぁ゛っ
  彼女のCDでは 7分02秒です
  「あの最後の歌良かったなぁ」と言うと 近くに居た美人さんが「もうすぐ来ますよ」と
  言ってくれて恐縮でした・・
 
  そう この歌たちは6分以上でした
  初遭遇の日に わたしがぶったまげた驚愕の歌たちには 6分以上の歌が多いのでした
 
  ちなみに上記の3曲が収録された CDおよびCD-Rは どれも
  収録された歌の作詞作曲者が同一なので 一応 曲数の増減は影響ない様です
 
  ただし 著作権は譲渡する場合が有ります
  会社とか 個人とか 事務所とかに譲渡する例は多いようです
  曲を譲渡した場合には 名目は だれそれの作詞作曲でも
  法的には 例えば まるまる会社所有の歌 と見なされるので
  一部の曲だけを譲渡した場合には 1曲分なのか2曲分なのかが重要になりそうです
 
  厳密に言うと
  中島みゆきさんの歌の場合は ヤマハ系の会社が一括して管理しているので
  その事までも含めて 同一の著作権者の歌と考える事が出来ます
 
 
  しかし 同じ会社に円満なまま ずっと居る
  中島みゆきさんのような例は 珍しいのではないでしょうか
 
  音楽界をながめてみて 漠然と思いますことは・・
  同じ音楽事務所に ずっと居る 作家や歌手は少ないような気がします
  同じレコード会社に ずっと居る 作家や歌手も少ないような気がします
 
  自分の作詞作曲した歌なのに 思うようにならない
  まるで他人の持ち物のように 遠くなって 自分のアイディアが生かされない
  おまけに 『廃盤』 ふざけるな!と なげく人も居るのではないでしょうか
 
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    『著作権』について 『廃盤』について も文を書くべきですね
 
    中古CDじゃなくて 復刻しろよ再版しろよと憤るファンもかなり居るのでしょうね